何処をどぅ走ったのか分からないまま辿り着いたのは海岸


「はぁ…はぁ…」


砂浜へ下り力なく座り込んだ


苦しくて…悲しくて……溢れ出した涙をそのままに、ただ波の音を聞きながらボーっと水面を見る



………よく考えたら、こんな汚れた私なんかを陸斗が好きになってくれるワケないじゃない…


この前のキスも、きっと気紛れ



私も陸斗を好きになっちゃダメなんだ…
私じゃ、とてもじゃないけど釣り合わない




それに比べて…菜摘は普通の家庭に生まれて、何不自由もなく親の愛情を受け、幸せに育ったんだから…


お似合いだよ



陸斗には……幸せになってほしい




陸斗を……芽生えたこの感情を……忘れるには、どうしたらいいのかな



一層の事、この真っ暗な海に身体を投げ出したら、楽になれるのかな


でも、弱い私はそれすら出来ない



かと言って、このまま一緒に暮らすのは……もぅ無理だ



私は、弱い人間だから 逃げ出す事を どうか許して