出て行く時、陸斗が何かを言っていた様な気がしたけど私は もぅそれどころじゃなかった
マンションを出た私は、誰かとぶつかると その人が私の腕を掴んだ
見上げた先にあったのは驚いている輝真の顔
ヒドい顔をしているのか険しい顔で私を覗き込んだ
「……どぅした?何があった?」
輝真の顔を見れなくて俯いた時、マンションから陸斗と菜摘が出てきた
「彩夢……ッ」
「陸斗ッいーじゃん、放っておいて。それより続きやろぅよ」
菜摘の甘えた声が耳に纏わり付く
ギュッと目を瞑り掴まれた腕を払い除けて逃げるかの様に全速力で走った