ーードクン
その時、私の目に飛び込んできたのはソファーで陸斗と菜摘がキスをしている所だった
ーーイヤだ…菜摘とキスなんてしないで、陸斗
そう言いたいのに何故か声が出ない
声の代わりに出たのはひと粒の涙
そんな光景、見たくないのに足が張り付いた様に動けずにいると、陸斗を抱きしめた菜摘と目が合った
その瞬間、彼女は私を嘲笑うかの様に綺麗な唇が弧を描き陸斗の首に腕を絡ませ、またキスをする
「ねぇ、陸斗ぉ。早く抱いて?」
もぅ頭の中が真っ白になり何も考えられない
顔を上げた陸斗が目を見開いて私を見た
ーー瞬間、弾けた様に意識が戻った私は玄関を飛び出していた