桐生先生は瞬く間に学校のアイドルになっていった。

休み時間になれば廊下を歩くだけで女生徒がざわめく。

男子にもかなり人気のようで体育館でバスケットボールをしていた。


「千里ちゃんそのままゴール!!」

「任せろ」

体育館に響くシューズの音と同時にゴールが決まる。

「キャー!千里ちゃんかっこいい」

響く黄色い声。

いつの間にか千里ちゃんと呼ばれるようになっていた。

けど、私はその姿だけでイライラしていた。

正直、桐生先生は苦手だ。

チャラくて八方美人でモテて当たり前みたいな顔してる。

でも、体育館に見に来てるでしょ?と思われそうだがそういう訳では無い。

私の清掃担当が体育館なのだ。

そして、時間は来ているわけでなのに遊んでいる先生が本当に迷惑なのだ。