ジュリアンに案内されるがまま渋々車でそのお店に向かったら、ジュリアンが話していた以上に店はぼろぼろにされていた。
外観こそ店の風貌をしてるものの窓ガラスが全部割られていて、店の中もその割れたガラスが散乱してるのが外からでも見て取れる。〝Amore〟と書かれた店名の電子パネルも潰されていて名前変えるのにいい理由出来たじゃんと硯くんは言っていた。
で、慌てて中に入っていったジュリアンに遅れて、あたしたちも店の中に入る。硯くんは電子パネルの下で眼鏡の下の目を掻いている。
「証拠じみたもの見つかった? 帰っていい?」
「これから探すんでしょうが! あんたたちもちょっとは手伝いなさいよ!」
「口だけは達者なんだから…」
「鳴、ガラス危ないから手では触んなよ」
はーい、って頷いたらやっと店の中に硯くんが入ってくる。も、
ごつ、とその後頭部に何かが当たる音がした。
「Freeze. (動くな)」
「…」
「………す、硯く」
うしろ、と伝える前に硯くんの真後ろに立っていた大男がその後頭部に銃器を当てがってるのを感じてサッと青みがさす。黒のニット帽を被った二人組だった。一人は入り口で硯くんを、後から入ってきたもう一人はあたしとジュリアンに交互に銃を向けてきて、ジュリアンが頭の後ろに手をやると硯くんも真顔のまますんなり両手を挙げた。
「I searched Julian, Where did you walk around.
(探したぜジュリアン、どこほっつき歩いてたんだよ)」
「あ、あ、あ、」
「How nice! Cute girl! Can I get it later?
(おお!? 可愛い子ちゃんがいる! あとでシていい?」
べろ、と大袈裟に舌で口の周りを舐め散らかす動作にゾッとしたらそれすら嬉しいみたいに視姦された。やめてよ、って思ったらちょっと動いたジュリアンの真横に弾丸が走る。
「aaa!! You probably took Milena!
(ああ! あんたがミレーナ連れてったんでしょう!)」
「I don't know, I was told to get rid of you for the time being.
(知るかよ、とにかくお前のこと始末しろって言われてんだ)」
「Don't you kill a woman?(女は殺さないよな?)」
「Let's gangbang.(輪姦そうぜ)」
「Fu uhh! Thank you for the souvenir.
(ふうう! 手土産をありがとよ)」



