『ゴメン。泣かせたかったんじゃないんだ。

君に・・笑ってほしかったんだ。

いつも、君は笑ったあとに笑ったことを後悔するような顔をする・・・

自分は笑っちゃいけない。そんな顔をする・・・。

そんな顔じゃなくて、君のなんの偽りもない笑顔を見たかっただけなんだ。

その笑顔を俺が見せたかったんだ。』

「・・・ありがとう。」

初めて気づいてくれた。

気づいてくれた人はこの人だけだ・・・

この人といると自然に笑えそう。

自然とそんな気がしたんだ。

『返事は…また今度でいいからっ!!』

そういって彼は立ち去ろうとした。

「待って!!今・・・するよ。」

私の返事は決まっていた。

『ぇ・・・?』

彼の表情は一気に曇った。

断られる。そう思ったのだろう。