愛梨には、人気者の愛梨とは正反対の双子の姉がいた。

名前は、杏梨。

いつも、愛梨のせいで苦労していた。

なぜなら、愛梨に手紙を渡してくれなど、ギャーギャーうるさい普通科の人達の始末を
しなくてはいけないからだ。

【杏梨】を見てくれた人なんて誰一人いないと思っていた。

いつも…いつも愛梨の姉としか見られてないと思っていた。

それでもちゃんと、【杏梨】を見てくれた人もいたんだね―――。

『今日も大変だねっ。杏梨ちゃん!』

いつも親友の本条雅との会話はこれから始まる。

「はぁ、本当毎日②懲りないよね。まず、愛梨は恋愛なんてしないのに。」

『えっ、そうなの?』

「そうじゃん。昔から、本気にならないもん。てゆーか、恋愛以外のものでも本気にならないけど。」

『ハハ八ッ、まぁそうだよね♪

でも…なんで?』