平凡なアイツ

私に気づかず、軽やかに階段を降りていってしまった。

大森の様子を見ようと、
階段の縁からひょいと顔を出すと、

切なそうな、今にも泣きそうな顔で
女の子の後ろ姿を見送る大森が見えた。


あ、この子だ。
この子が大森の好きな人だ。



一瞬でそう思った。
大森のあの顔をみると、今私が出て行くのには
気が引け、その場を後にした。