不浄(ふじょう)な考えだが、大山は心で喜んだ。

大事な息子ということもあり、山田一族が集まる大きな葬儀となった。

大山は久々の大きな収入に、「これで生活ができる。」とほっとした。

次の月、檀家の山川さんの幼稚園の娘が井戸に落ちて亡くなった。

またまた大きな葬儀となった。

大山は葬儀が終わると寺を修繕(しゅうぜん)した。

小さい子の水にちなんだ事故が続いたので、

「水の(たた)りがこの村にはある。」

と村人が噂した。

次の月、檀家の村本さんの小学生の一人息子(あつし)が用水路で一人ザリガニ取りをしていた。

夏の日の午後の田舎の用水路には普段人はいない。

近くの畑で仕事をするのは涼しい朝と夕方に限られていた。