結婚とは、人生の一大イベントであり、特に女性にとっては、それが人生を左右することにもなる。



「おめでとう! 恵里!」


「ありがとー!」


 今日は、会社で奈津美やカオルと同期である恵里の結婚式だ。

 奈津美とカオルは、式が始まる一足前に花嫁の控え室に行き、祝福の言葉をかける。


「恵里、すっごい綺麗! ドレスすっごい似合ってるよ!」

 純白のウエディングドレスに身を包んだ恵里を見て、カオルが興奮気味に言った。

「ありがとう! なんか、これ着たらいよいよなんだなーって……感極まってきちゃってー」

 恵里は涙ぐんでいる。


「ちょっと、早いよ。まだ式も始まってないのに」

 奈津美は笑いながら恵里に言う。


「そうだけどー……」


「ほら、化粧落ちるでしょ? それに旦那さんも待ってるんだから、笑わないと」


「うん……」

 まだうっすら涙を浮かべながら、恵里は微笑んだ。

 幸せいっぱいだということがその笑顔だけで分かった。