「本当にすみません……俺の都合に合わせちゃって……しかも、奈津美さん、気分悪くなっちゃったし……」

 涼介が申し訳なさそうに言った。


「ううん! そんな…あたしのは多分、久しぶりだからこうなっちゃっただけで……涼介君は全然悪くないから……」

 奈津美は首を横に振った。


 そんな、奈津美が勝手に気分が悪くなったのに謝られると、むしろこっちが悪いことをしてしまったようだ。


「そう言ってもらえると……ていうか、正直、奈津美さんが休んでるっていってくれたおかげで俺は助かったんですけどね」

 涼介は苦笑した。


 確かに、一人外れたおかげで、涼介は自然に抜けてこれたのだ。


 いや、自然でもないか。

 友達の彼女とはいえ、あくまで初対面の人間を気にして抜けてくるなんて、不自然だったか……


 加奈は、変な誤解をしてなかったのだろうか……

 でも、こうして涼介が平然としているのだから、大丈夫か。加奈だって、そんな人を疑ってかかるようなコではないだろう。


 奈津美は勝手に自分の中で解決させる。


「でも、もしあたしが気分悪くなったりしなかったらどうするつもりだったの?」

 奈津美がこうしてみんなから外れることなんて、予想できなかったはずだ。

 むしろ、旬と同じで絶叫系が好きだったら、振り回されていたはずだ。


「もともと旬にはフォローしてもらおうと思ってたんです。ああいうのに乗り続けて、俺、喋れる自信ないし……二人だったら絶対間が持たないだろうけど、旬が居ればなんとかなると思って……それに……」

 涼介はそこまでで言葉を止めた。


「それに?」

 奈津美は首を傾げ、鸚鵡返しに聞いた。


「それに……旬も居れば加奈が楽しめると思ったんです」


「え……?」

 奈津美は目を丸くした。


 そんな奈津美に、涼介はある事実を話し始めた。