「よし! オッケー。ナツに送ったから」


「早……」


 三分もしないうちに終えた旬に、奈津美は小さくもらした。それと同時に奈津美の携帯が鳴った。


 開くと、予告通りの旬からメールがきていた。注目すべきなのは、新しい旬のメールアドレスだ。


「ちょっ……何よこれ!」


 奈津美は目を丸くして旬に訴えた。


 旬の新しいメールアドレスは、このようなものだった。


『ナツミ・ラブ・シュン・フォーエバー』


「何で勝手にあたしの名前入れてるのよ! しかもなんであたしが主語になってるの!?」


 旬のメールアドレスを直訳すると『奈津美は旬を永遠に愛する』となり、旬のメールアドレスなのに、奈津美が主体になっている。


「いいじゃん。俺でもナツでもそんなに変わんないよ」


「だったら旬が先でもいいでしょ」


「あ、じゃあ、ナツが変えたらいいんじゃない? 『シュン・ラブ・ナツミ』って。そしたらプラマイゼロじゃん?」


「どこがよ。そんなアドレスに出来るわけないでしょ!」


 お互いがお互いを主語にしたメールアドレスにするなんて、そんなバカップルみたいなことが出来るはずがない。


「じゃ、俺も変えなーい」

 旬は明らかに面白がって言っている。