そして、Wデート当日の五月三日。


「遅いなー、あいつら」


 待ち合わせ場所に先に着いた旬と奈津美は、旬の友人カップルが来るのを待っていた。


 待ち合わせ場所というのは、今日遊ぶ遊園地の入場ゲート前だ。やはり、ゴールデンウィーク中ということがあって、混雑している。


 時間を見ている旬に対し、奈津美は一人で緊張していた。


 やはり、旬の友達といえど、あまり気が抜けない。

 いや、旬の友達だからこそ気が抜けないと言うべきか。


 ただでさえ、年齢差があるのだ。会話についていけるかどうか……いや、たかが四つでジェネレーションギャップはないと思うが……

 それに年上だからと言って変に気を遣われるのも嫌だし……


 などと、その他諸々のことを考えてしまうと、かなり緊張してしまって、昨夜はなかなか寝付けなかった。


 今朝なんて、旬が迎えに来る前に、何度も無意味に手の平に人の字を書いて飲み込んだことか。


 こんなに緊張したのなんて、就職の面接以来だ。



「あ、来た。涼介! 加奈! こっちこっち!」

 旬がそう言って大きく手を振った。


 奈津美は思わず旬の後ろに隠れた。