「それで?」

「え?」

 旬の声に奈津美は我に返った。


「テストの答えは?」


「え……あ……」

 ここで奈津美はまた言葉に詰まってしまう。


「わ……忘れちゃった」

 ぎこちなく笑って奈津美は誤魔化す。


「えー? 何だよー。すっげー気になるし」


「ごめんね? ちょっと、ど忘れして……」


「ふーん? 別にいいけどさぁー」




 旬の答えで分かったことは、旬と結婚するとなると、それは大分先のことになってしまうだろうということ。


 旬の中のプランは、まだ夢の中のものだ。



 何か、あたしだけが現実的に悩むのはバカバカしいかも。


 そう思い、奈津美は小さくため息をついた。