翌月曜の昼。いつものように社員食堂で奈津美とカオルは昼食をとっていた。


「ねえ、カオル。カオルは塚田さんと結婚の話したりする?」

 向かいでうどんをすするカオルに、奈津美は聞いた。


 ちなみに、塚田というのは、カオルの彼氏だ。


「何、いきなり」

 カオルは目を丸くしている。


「んー……別に、どうなのかなって思って」

 奈津美はうまい言い訳が思い浮かばず、そう言いながら自分の天ぷらそばのかき揚を一口食べる。


「ていうかさ、カオルは塚田さんと結婚するつもりでいる?」

 奈津美は質問を変えてみる。


「うん」

 カオルは、即答ではっきりと頷いた。

 予想外の早さに、奈津美はあぜんとする。


「え……それって、いつ?」


「別にいつっていうのは決まってないわよ。まあ、丁度いい頃合に向こうから言ってきたらしようかなって」

 さらりとカオルは言う。


「何? 奈津美。恵里の結婚で焦ってるの?」


「えっ」

 ズバリと言われ、奈津美は言葉に詰まってしまう。