キミと、光の彼方へ。

「海里、ごめんね。砂汐奈のこと、おぶってもらっちゃって」

「別に構わない。あれだけはしゃいでいたら、疲れるのが当然だ」

「だよね。砂汐奈、皆と遊んで楽しかったと思う」

「なら、良かった」


いつもと同じ帰り道。

今日、海里の背中には砂汐奈がいる。

花火の片付けが終わり、帰るとなった時に眠いと言い出し、優しい海里が砂汐奈を背負ってくれることになった。

夜風はまだ生暖かく、この分だと今日も寝苦しくなりそうだ。

ふと、過ぎてきた道を振り返る。

まだあの海岸に2人はいる。

何やら話があるみたいで、会沢さんと一緒に帰れなくなり、砂良はかなりショックを受けていた。

でも、カップルの邪魔をしてはならないと気分を切り替え、夏のヒットソングを口ずさみながら、スキップして帰っていった。

砂良のテンションが誰よりも高くてまた驚かされてしまった。