キミと、光の彼方へ。

「あっ...」


どうやら、手で風から必死に守っていた彼の火も消えたようだ。

これで花火は終わった。

花火は美しすぎるがゆえ、その光は儚く、切ない。

改めてそう思った。


「桑嶋、ごめんな」

「えっ......」


突然彼が呟いた。


「何が?」


聞いても返事はない。

彼は立ち上がり、そのまま皆のところに戻っていった。

なんで謝ったのだろう。

なんであんなに悲しそうなんだろう。

私の心にわだかまりが残った。