その後を言おうとしたところで、目的地に到着した。


「わぁっ!金魚さんいっぱ~い!」


砂汐奈はすっかり金魚に目を奪われていた。

実にベストタイミングだった。

あんまり妹には言いたくないエピソードがあって、黙っていたかったから。


「さゆ、どっちが多く獲れるかおれと競争しよーぜ!」

「うんっ!じゃあ、私が勝ったらりんご飴奢ってね」

「おれが勝ったらたこ焼きな!」


勝手に勝負を始めた2人だけど、そのお金がどこから出ているのかと言ったら、こちら姉側である。

姉達の出費ということはお構いなしに対決はスタートしてしまった。


「ったくもお、勝手に...」

「いいじゃん。こういう時くらい自由にやらせてあげよう」