彼女は神崎 彩、
私の親友。


「梨恵、今日はちょっと遅くない?
いつもならもう教室にいる時間じゃん?」


「あぁ~今日は澪のお母さんに頼まれて
澪を起こしてから来たの・・・」


「ふ~ん?さすが幼なじみ!
親公認なんだね!?」


「なに言ってるの・・・?
どういう意味よ・・・?」


「ん~?だって~
この学校のロミオとジュリエットが
親公認のカップルって!素敵じゃん!?」


「・・・はぁ?」


私は首をかしげたが彩は構わず続けた。


「だって本当のロミオとジュリエットの親は敵同士!
でも、ここにいるロミオとジュリエットこと真樹 梨恵と
その幼なじみ、日代 澪のカップルは親公認!
これほど幸せなロミオとジュリエットがあるものか!?」


彩はまるで舞台の進行役のような語り口調で言った。