「中学3年の時にクラスで演劇をすることになったんです、
その時候補に挙がったのがロミオとジュリエットでした・・・」

城坂さんは話をつづけた。

「私は昔からロミオとジュリエットの物語が好きで、
だから絶対にジュリエット役をやりたくて・・・立候補したんです!
他にやりたがる子もいなかったし、
ジュリエットになれる!って思ったんですけど・・・
でも、結局担任が「中学生向けじゃない」って言って
ロミオとジュリエットは没になったんです」


「そっか・・・」


「それでこの高校に入学して噂で聞いたんです・・・
ロミオがいるって・・・私!運命だと思ったんです!
神様がジュリエットになるチャンスを与えてくれてるって!
でも・・・」


「・・・でも?」


「やっぱり違ったみたいですね・・・、
私、思い込みが激しいってよく言われるんです。
自覚してるつもりだったんですけどね・・・」

もしかして・・・


「本当は澪のこと・・・」


「はい、多分・・・」