夏休みも松田とのメールは続く。

次第に松田は真奈美ちゃんへの愛を語らなくなり、たわいもない話をするようになった。

世間のこととか、授業のこととか。

時には松田は聞き手側にもまわる。

ただ、私は何も相談できない。

私の悩みは人に相談したところでどうなる?

きっと悩みを人に吐いても何も変わらない。



松田は鋭かった。

突然、こんなメールが来たから。

「ずっと気になってたんだけど、煙草吸ってる時なにを考えてるの?」

はっとした。

煙草吸う時、考えてしまう。

虐待のことや体のこと。

一人になれる瞬間が煙草の時間で、唯一心を休息できる時間だから。

考えちゃうんだよね、いろいろと。

無意識のうちにぼーっとしたり、空の雲を眺めたりしてしまう。

「別に何も考えてないよ。突然どうした!?」

はぐらかすしかない。

きっと、松田には私の悩みは重すぎるから…