「で、その傷はどうしたの?うちら友達でしょ?話してよ」

座るなり、松田から話を切り出した。


こんな話して…松田に変な荷物背負わせちゃわないかな?

友達だからって…これは共有できる悩み?


「なんでもないよ、本当に…」

「なんでもないわけない!転んだからとか、つまずいたとかっていう傷じゃないじゃん!顔だけじゃないでしょ?足とか、他のとこにも傷あるんでしょ!?舞岡さんがどう思ってるのかわからないけど、何か悩みあるんなら話してほしいよ。俺は聞くだけしかできない。でも支えることはできる。泣きたい時は側にいてあげれるよ。今の舞岡さん全然笑ってないじゃんか。俺は笑ってる舞岡さんを見たい!舞岡さんの笑顔見ると元気もらえるんだよ。何でもいいよ。話せることから話して」

いつになく、松田は真面目な顔で説教じみた口調で聞いてきた。


全部話すね、松田…

受け止められないなら私のこと見捨ててもいいよ。

もう関わらなくてもいい。

大事な友達の重荷にだけはなりたくないから…

覚悟して、親から受けている虐待のこと、全部包み隠さず話した。