カイの目の前にお粥を置くと、カイは美味しそうに食べている。

「美味しい。懐かしい味だ。」

「よかった。塩は足りている?」

「うん。涼花の味付けは、とても上手いよ。」

この瞬間、笑みが零れた。

幸せ。好きな人の為に料理を作るのって。

ああ、だから私、料理人になったんだ。


「涼花。こんな事、ここで言うのは反則だって、知ってるんだけど。」

また反則!?

ルシッカの人は、反則好き!?

「涼花、やっぱり俺の恋人になってくれないか。」

「カイ……」

「昨日の夜、感じたよ。涼花が運命の人だって。」

「そんな……カイは若いから、そんな事思うのよ。」

「涼花は、そう思わなかった?僕を運命の人だって。」


不覚にも、感じてしまったわよ。

運命の人だって。