そして庭の入り口に来た。

「ありがとう、レーナ。」

私はお粥が入っているトレーを、レーナから受け取った。

「涼花。こんな事言うの、反則かもしれないけれど。」

「えっ?反則!?」

「涼花は綺麗だし、何よりも皇帝陛下が、涼花を愛している。その気持ち、信じてあげて。」

「レーナ……」

「必ずよー!」

そう言ってレーナは、手を振ってキッチンへ戻って行った。


私はトレーを持って、庭のテーブルに行くと、そこにはお伽話に出てくるような王子様が、花の園に座っていた。

正直言って、カイはカッコいい。

いくら私を好きだと言ったって、他に美しいお姫様が、いっぱいいるもの。

「カイ。」

「ああ、涼花。お腹減ったよ。」

「お待たせ。特製のお粥よ。」

「あれ?これって、梅干し?」

「そうなの。」