年下皇帝の甘い誘惑

するとカイが、執務室に入って来た。

「俺の許可なく、強制送還などできないぞ。」

「皇帝陛下!」

「そして……」

カイは、伯爵の肩をポンッと叩いた。

「僕の婚約者に、暴言を吐くのは止めたまえ。」

そう言われた伯爵は、床に膝を着いてしまった。


「お父様!」

それをどこで見ていたのか、アイニーさんが執務室に入って来て、伯爵を支えた。

「この女が今度は何をしたの?」

私はアイニーさんに、睨まれた。

「アイニー……」

「何?お父様。」

その瞬間、伯爵は私を見た。

「言葉を慎め。この方は、未来の王妃様だ。」

「えっ?」

アイニ―さんが、驚いている。