ふと横目に僕の横に佇む彼女を見れば、もう直ぐ沈む橙の光に染められている。

純粋に美しいと思った。

美しいから慕うのではないが、慕っているから美しいと思うのとも少し違う。

きっと、注目さえすれば、誰が見ても洗練された魅力に気がつく。

ただ、よく見ていないだけ。

たしかに、彼女は、誰もが振り返るような美貌とは相違があるが、荒削りな彼女の中の芯の麗しさを僕は見いだしている。

今時の女子高生は、エモいだとかで表すのか。

便利な表現だけど、大まかすぎる。

もっとこう、どこかの芸術家が曲線を愛でるのと同義。

ダメだな。

そう思った。

今の彼女は筆舌し難い。

もう一度彼女を見やった。

周りの視線が気になった。

側からみれば、2人で乗り込んできた僕たちは恋仲に見えるだろうか。

ああ、きっと、見えている。

そのように見せたいと僕が望んでいる。

けれど、僕たちはそんな間柄ではなくて、強いて言うなら、同盟といったところだ。