渉くんだった。

渉くんを見た時は、違いますようにって何回も思った。でも、告白だった。

私はもちろん断ったよ。

でもさ、断ればいいってことじゃなかった。

その時にね、たまたまその子の友達が見てたみたいでね、その子に伝えちゃったんだって。

もう、何となく想像つくと思うけど、そのあと私はいじめられたの。

集団無視から始まって、暴言が書かれている紙を下駄箱とかに入れられたりとか、いろいろされた。

暴力とかは、そーちゃんが守ってくれたからなかったけど、地獄だと思った。何回も死にたくなった。

でも、お兄ちゃんに心配かけたくなくて、そのまま我慢して、いつも通りふるまった。

でも、本当の地獄はまだまだこれからだった。

中学校に入るとき、そーちゃんが引っ越しちゃった。

お父さんの仕事の都合だった。

そーちゃんは何回も謝ってくれた。

中学校に行けば終わる、そう信じてた。

でも違った。