あの空の終わりには何がある?



新しい空の続き?



新しい世界への扉?



………きっと分からない。


誰も、分からない。



そこにたどり着くまでは、


知ることも叶わない。



ここは地図にもない場所。


終わりのない地平線が広がる場所。



あの日、コンクリートの街で、


まだ癒えぬ傷を抱えて、


閉ざされた世界に生きていた私は、


空の上に浮く一つの風船を見つけた。



その風船を追いかけて、


私は街を出た。



風船はいつしか


空高い場所へ行ってしまったけど、


街の外の世界は今まで


見たことがないくらい、


色鮮やかで、きらきら輝く場所だった。



歩いていると、


何人かの人が声を掛けてくれた。


風に姿を変えて


背中を押してくれる人がいた。



だから、私はここまで来ることができた。



ここの世界では一人じゃない、と


気付けた。