男の声がするって思った時には私は手刀を首に添えられていた。 「お前何者だ?」 低くて普通の子だったらびっくりするような立場だけど私は大丈夫。 そいつの鳩尾を肘で突き油断した隙にこっちが羽交い締めにする。 「ちょっと弱いなあ」 ふふっって笑ったら男はゆっくり振り返った。 その顔に私は言葉を失った。 向こうも目を見開いている。 だってだってそこにいたのは ここにいるはずのない…