「ちょっとまっ‼︎どこに連れてく気⁉︎」
「だからそれは秘密。しっかりつかまってて。あんまり暴れると落とすよ」
今は階段を下っているところ
落とされては軽傷じゃ済まないだろう。
そうなっては困るので大人しく彼にしがみつく。
「やっと大人しくなった。じゃあ軽く自己紹介しておこうか。
僕は雪村柊斗。よろしくね」
「よろしくしたくないんだけど」
ていうかなんで走ってるのに普通に話せるの?
私も一応できるけど慣れるまでけっこう時間がかかった。
柊斗って人はおそらくかなり運動に慣れているだろう。
まさか暴走族ではないよね。
だけど私の希望も儚く消えてしまった。
結局私がおろされたのは
暴走族の倉庫にしか見えない場所だった…
