朔said
「朔ちゃんまたね」
そう言って美桜は出て行った。
「美桜…」
美桜が炎龍の姫になったと聞いた時
俺は先代として、従兄として、すごく喜んだ。
美桜は俺に心を開いているように見えるが実際の所そうではない。
きっと俺に隠してることもまだまだあるだろうし、言えてない本音もいっぱいある。
だからこそあいつに仲間ができたって聞いた時、ものすごく安心したんだ。
でも、あいつらは美桜を裏切った。
無い罪で美桜を追い出した。
その時の傷ついた姿を俺は一生忘れないだろう。
怒りで怒鳴りつけてやろうとしたが、あいつは
「実は朔ちゃんの従妹だってまだ言ってないし、今の状況で言ったら怪しまれるよ。
私はもう大丈夫だよ。だから後輩をちゃんと見守らなきゃ、先代さん」
って炎龍を庇ったんだ。
裏切られたというのに…
美桜…お前ならきっとまた新しい仲間が見つかるよ
きっといつかそいつらが、お前の闇を取り除いてくれると信じて…
