それから数日経った。
テレビや雑誌では結衣が無期限で活動を休止することが発表されて、ファンはざわつき、「精神的な問題による」という理由だけの発表によって世間では様々な憶測が飛び交っていた。
噂されていた隼人に振られたんじゃないか
そもそも精神的におかしくなって隼人との噂をでっち上げたんじゃないか
枕でもばれたんじゃない
高校生であれだけ忙しそうにしてたら、そりゃあ疲れるだろ
誰も何も本当のことなんて知らないのに。
まるで自分が見てきたかのように、自分が正しいことを言っているかのように発信する。
良くも悪くも人って進化しすぎたと思う。
何気ない言葉がSNSとかから巡り巡って本人まで届く。発信した人は何も思ってなくても、向けられた相手に届く頃には悪意が含まれてる。鋭いとげになって、相手の心に刺さるとなかなか抜くのは難しいことに気づけない。
そして、世間からの興味・関心なんてあっという間に薄れていく。みんな忘れていく。新しいものに惹かれ移り変わっていく。
傷だらけになって、たくさんの重りをのせたことになんて気づかないで。
結衣のこともそう。
私にとっては”まだ”数日でも、世間にとっては”もう”数日経ったの。
本当に怖いのってさ、人間の方だと思う。
「心愛!隼人くん来てる」
私にそう声をかけてくれたのは、涼。
来た時はあんなに暴れてたけど、今は施設のみんなと仲良く出来てる。
「そっか。ありがとう、教えてくれて。」
ていらを抱きかかえて立ち上がる。
今日はどこにいようかな。物置部屋にいたら絶対見つかるだろうしな。
「隼人くんと喧嘩してんの?」
「んー、喧嘩はしてないよ。」
喧嘩だったら、まだましだったのかもしれない。
正直、あの時自分がしたことを隼人が知ってると思ったら顔を合わせるのが怖かった。
「ふーん。」
納得がいかないような表情でこっちを見てくる涼。
「本当だよ。」
「じゃあ、なんで悲しい顔してんの?」
ドキっとした。そんな顔してたんだ、私。
「気のせいだよ。」
笑って誤魔化して部屋から出た。
「会って話せばいいじゃん。そんな笑い方してるとブスになるよ。」
ていらが私の顔を見上げながら言う。
「私がしたこと、隼人も知ってるんでしょ。」
「そりゃあね。こころ止めたの隼人だし。
でも、こころの話ちゃんと聞いてくれると思うよ。」
首を横に振った。
「どうして?」
「巻き込みたくない。施設でのことも、この間のことも、自分でわかってないの。また、こんなことが起きて取返しが付かないことになった時隼人を巻き込みたくない。普通に幸せになって欲しいから。だから…」
「こころ、欲しいものは欲しいって言わないと手に入らないよ。」
「…絶対言わない、」
「頑固!」
私の腕から飛び降りてこっちを見てから、プイっと顔をそむけて歩き出した。
テレビや雑誌では結衣が無期限で活動を休止することが発表されて、ファンはざわつき、「精神的な問題による」という理由だけの発表によって世間では様々な憶測が飛び交っていた。
噂されていた隼人に振られたんじゃないか
そもそも精神的におかしくなって隼人との噂をでっち上げたんじゃないか
枕でもばれたんじゃない
高校生であれだけ忙しそうにしてたら、そりゃあ疲れるだろ
誰も何も本当のことなんて知らないのに。
まるで自分が見てきたかのように、自分が正しいことを言っているかのように発信する。
良くも悪くも人って進化しすぎたと思う。
何気ない言葉がSNSとかから巡り巡って本人まで届く。発信した人は何も思ってなくても、向けられた相手に届く頃には悪意が含まれてる。鋭いとげになって、相手の心に刺さるとなかなか抜くのは難しいことに気づけない。
そして、世間からの興味・関心なんてあっという間に薄れていく。みんな忘れていく。新しいものに惹かれ移り変わっていく。
傷だらけになって、たくさんの重りをのせたことになんて気づかないで。
結衣のこともそう。
私にとっては”まだ”数日でも、世間にとっては”もう”数日経ったの。
本当に怖いのってさ、人間の方だと思う。
「心愛!隼人くん来てる」
私にそう声をかけてくれたのは、涼。
来た時はあんなに暴れてたけど、今は施設のみんなと仲良く出来てる。
「そっか。ありがとう、教えてくれて。」
ていらを抱きかかえて立ち上がる。
今日はどこにいようかな。物置部屋にいたら絶対見つかるだろうしな。
「隼人くんと喧嘩してんの?」
「んー、喧嘩はしてないよ。」
喧嘩だったら、まだましだったのかもしれない。
正直、あの時自分がしたことを隼人が知ってると思ったら顔を合わせるのが怖かった。
「ふーん。」
納得がいかないような表情でこっちを見てくる涼。
「本当だよ。」
「じゃあ、なんで悲しい顔してんの?」
ドキっとした。そんな顔してたんだ、私。
「気のせいだよ。」
笑って誤魔化して部屋から出た。
「会って話せばいいじゃん。そんな笑い方してるとブスになるよ。」
ていらが私の顔を見上げながら言う。
「私がしたこと、隼人も知ってるんでしょ。」
「そりゃあね。こころ止めたの隼人だし。
でも、こころの話ちゃんと聞いてくれると思うよ。」
首を横に振った。
「どうして?」
「巻き込みたくない。施設でのことも、この間のことも、自分でわかってないの。また、こんなことが起きて取返しが付かないことになった時隼人を巻き込みたくない。普通に幸せになって欲しいから。だから…」
「こころ、欲しいものは欲しいって言わないと手に入らないよ。」
「…絶対言わない、」
「頑固!」
私の腕から飛び降りてこっちを見てから、プイっと顔をそむけて歩き出した。
