日常(仮)

あの日から数日経った今日も、状況はたいして変わらなかった。
強いて言うなら、ヒソヒソ言われてた冷たい視線が一部からのハッキリとした攻撃に変わった。

私に攻撃的な一部の女子集団は、隼人のファンだったらしい。
前々から、隼人と一緒にいた私のことが嫌いだったみたい。
あの匂わせ疑惑と隼人が学校に来ていない今は、私に今までのイラつきをぶつける最適な時期なのだらう。

「あ、浮気相手じゃん。」
「あいついるから、学校来れないんじゃないの」
「超可愛い彼女いるのに、あんなブスにつきまとわれたら迷惑だよねー」

廊下にいる全員に聞こえるような大声で、あからさまに私へ向けられる言葉。

あー、どいつもこいつも。頭沸いてんのか。
浮気相手って何よ。好きすら言われたことないのに。

「なんなの!?しつこすぎ!!
あの子らだけだよ、未だにあんなこと言い続けてるの!!」

あかりは、私が何か言われるたび毎回怒ってくれる。
前に上靴が無くなった時なんて、近くでクスクス笑ってるあいつらに向かって自分の上靴を投げて叫んでた。
「しょうもないことしないでよ!!
隠すなら私のでも隠しなさいよ!!暇人!!」
この時のあかりの行動には、私も驚いた。これで、あかりまで攻撃の対象にされたらどうしようかって不安に思った。
けど、やっぱり嬉しかった。
自分のことで、こんなにも怒ってくれる友達がいるってすごい心強いことなんだ。

あかりが一緒にいてくれるから、私は毎日学校に来れてる。
平気でいられてる。

あの日から、もう何日も隼人に会っていない。
施設に帰っても、隼人は帰ってこない。
正直、寂しくて仕方がなくて、学校でこんな状況が続いて気持ちが安定しない日々が続いてた。

きっと1人だったら、黒い感情に飲み込まれてただろう。
あかりがいてくれて、ていらがいてくれて、
やっと自分を保っていられてた。


「あかり、ありがとう。私、大丈夫だよ。行こう。」

そう言って、その場を離れようとした…が、
今日は一段としつこかった。

「は?うちらのこと無視?」

進行方向をふさがれた。

「…邪魔なんだけど。」

「うちらからしたら、あんたが邪魔。」

「十分通れると思うんだけど、?」

あんたらの前に私とあかりしかいないのよ?
逆になんで通れない?

「浮気相手って、態度デカイから幅もデカイんだよね」

カン高い声で笑う声が響く。
とてつもなく耳障り。

あかりが「ちょっと、!」と言いかけたのを止めた。
私たちまで乗ったら、ますます言い合いになる。

「…」

「どうしたの?泣いちゃうの?」

「…」

「なんも言えないの?」

「…」

心配そうに私の顔を見るあかり。
やっぱり、あかりまで巻き込んでしまうことが申し訳ない。

「…」

何も言えないんじゃない。
興味がない。


そこどいてくれないと、教室に戻れない。
はやく飽きて、どっかに行ってくれないだろうか。んー。


「あ!隼人くん!!」