日常(仮)


「心愛、今日もニヤニヤ。」

「ねぇ、あかり。どうしよう。」

「どうした?どうした?」

ちょっと驚いたように目を丸くするあかり。

「…隼人のことが好きすぎる…。」

言葉にすることが、こんなに恥ずかしいと思わなかった。
顔を手でおおって隠す。
尋常じゃなく、恥ずかしいけど
心の底からこみ上げてくる。

「どうしよう、心愛が可愛すぎる。」

あかりにたくさん話を聞いてもらった。
自分でもこんなに隼人のことが好きだったなんて気づいてなかった。
いつまで隣にいられるかなあ。ずっと一緒にいたい。
隼人の夢を一番応援していたい。

「隼人くんのドラマの撮影見に行こうよ」

「えぇ。隼人、嫌がらないかな…」

隼人の仕事の邪魔はしたくない。
けど、少しだけ見てみたい思いもあった。
仕事中の隼人がどうしてるのか知りたかった。

「こっそり遠くから見学して、すぐ帰れば大丈夫だよ。見学してる人なんて、たくさんいるだろうし!私も見たいなあー」

あかりがニコニコ…というよりニヤニヤしながら目をキラキラさせている。

「私も見たい…。」

放課後、ドラマ撮影をこっそり見に行くことが決まった。
実は、ものすごく楽しみだった。

ーーーーーーーーーーーーー・・・

「お!我ながら上出来」

「わあ、あかり天才かも」

放課後になり鏡に映る自分に驚く。
撮影の見学に行く前に、あかりにメイクをしてもらった。
上に向かって伸びる存在感のあるまつ毛、目にキラキラのアイシャドウ、
血色の良くなったピンク色の唇。
いつもと違う自分に少し恥ずかしさを感じるが、とても嬉しかった。

隼人、驚くかなあ、

こっそり見学に行くだけのはずが、メイクをしてもらった自分を隼人に見て欲しいと思っていた。

「ありがとう」

「どういたしまして!さ、行こう!」

わくわくとドキドキで胸がいっぱいだった。
誰かを好きになる気持ちがこんなにも幸せな気持ちだなんて知らなかった。