ハーフな俺。前編(完結)



「ぅん。 楽しかったよ。

でも渋谷いったときなんて、本当に
大変だったんだよぉ。」


りさってやつが答えた。

「どうしてぇ?」


「だって、パパを待っている間に
すごい数の人に話しかけられて、
かなりびっくりしたよぉ。(泣)」

「それって、BOYS?」


「ぅん。そだよ。」


「さっすが、リサぁ~!!」

「だよね、リサって so cuteだもんねぇ」


「・・・でも、うん、お話してるときは
すっごく楽しかったよぉ。

これこそNIPPONって感じ!って思った。」



(やっぱりこいつもそうかよ。
日本人って皆そうなのかよ。あいつみたいに
男だったら誰でも良くて、愛想振りまくって、
ホイホイ付いていくんだな。)


もともと俺と同じ日本人とのハーフに対し
嫌悪感を抱いていた俺は、

そのことを笑顔で自慢気に話すこいつへ
心の中で、憎悪のようなものが生まれた。


この日以来、俺はこいつの事を知ろうともせず、

この女とは関わりを持たないようにしてきたんだ。