身なりも整え終わり、
いよいよ出発。


「忘れ物ないわね?」

「うん、今日は部活もないし早く帰ってくるよ」

「あらそうなの、わかったわ」



玄関で靴を履く棗。


あら、制服のスカート…丈短くない?


「あんたちょっとその丈なによ、パンツ見えるわよ」

「え?…ああ、下に体操着着てるから大丈夫だよ」

「あああ!見せるんじゃないわよバカ!」



指摘すると、証拠といわんばかりにスカートをめくる棗。

ほんっとアンタって子は…



「ひひ。じゃあ行ってくるね」

「ええ、気をつけてね」



手を振って棗の背を見送る。
バタンと扉が閉まり、私は一息ついた。



「まったく…困った娘よホント」





アタシはあの子と、
この小さなマンションで暮らしている。




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