嫌いなあいつの婚約者!?

「んー美味しいですっ」

 コース料理の始めはサラダとスープ。

 サラダには野菜の他に、豆類にピンク色のお花も。色鮮やかなサラダは、舌だけじゃなく目からも楽しむことができる。

 なにより奏多さんと一緒だと、何倍も美味に感じる。

 スープは薄い奇麗な緑色をしていて、飲むとさっぱりとしていた。

「あまり行儀が良くないけれど、このバゲットにスープを付けて食べると最高に美味しいんだ。親の前では絶対にやらないけどね」

 と、あどけない笑いを浮かべる奏多さんに親しみを感じる。

「やってみますっ」

 奏多さんに言われた通り、焼き立てであろうバゲットにスープを少々付ける。

 サクッとした歯応えの後に、スープの甘さと小麦の風味が絶妙にマッチして好ましい味になる。

「美味しいです」

「でしょ? 少しパンがふやけるのもいいんだよね」

 大人で隙がなさそうに思える奏多さんなのに、子供のような一面があるなんて、いいギャップ。

 知れば知るほど奏多さんという人に惹かれていく。













「美味しかったかな?」

「はいっ。最後のデザートまで満足です」

「よかった」

 レストランから歩いてオルゴール美術館に向かう。車もいいけれど、こうやって肩を並べて歩くものやっぱりいい。

 街に来ると、今日も人が多くいた。と言っても、向こうの世界に比べれば全然だけれど。