嫌いなあいつの婚約者!?

 ほら、すぐにこうやって怒ってしまうし嫌なことがあればすぐに逃げてしまうし、自分でもこんな自分が嫌いになってしまうことがある。

 こんな私を好きだなんて、あるわけがない。

「どこかに、出掛けないか? せっかくの夏休みだし」

「奏多さんと約束してるの」

「毎日じゃないだろう?」

「そ、そうだけど」

「予定が分かったら教えて欲しい」

「分かった、分かったから。とりあえず、なんか食べさせて。お腹空いてるの。起きたばかりだし」

「あ、ごめん」

 あっちの世界で頭でも打ったのかしら? なんだかいつもの涼よりも強引で、人が変わったように感じるのは。

 ああ、もう、早く奏多さんに会いたい。奏多さんとのひと時を、幸福な時間を噛みしめたい。

 せっかく自然の甘さで美味しいフルーツを食べているのに、涼がいるせいでその味を100%楽しめずに、彼の存在ばかりが気になってしまう。

 そうだ。

「苺のネックレス、返すわ」

「どうして?」

「だって…………涼と私は、なんの関係もないでしょう?」

「そうだけど、いいよ。あれは桜の為に買ったものだから」

「……そう、分かったわ」