嫌いなあいつの婚約者!?

「ここ数週間規則正しかったのに、またお寝坊桜に戻ったのね」

 と、目玉焼きとソーセージを焼きがらお母さんが話しかけてきた。

 昨日も思ったけれど、この質素とも言える朝食、やっぱり体にしっくりとくる。

 向こうの世界の豪華で色とりどりのモーニングももちろん美味で食べ応えがあって飽きないけれど、長年慣れてきたこの朝食は心がほっとする。

「まあ、少し生活を見直そうと思ったんだけど」

 やっぱり、向こうの世界は私は涼同様にこの私よりも大分出来のいい人間なんだなということが分かった。

「ていうか、仲良しね。幼馴染みから恋人になったんだから当たり前なのかしらね」

「こ、恋人?」

「なあに、まだ寝ぼけてるの? あなたたち付き合ってるって言ってたじゃない」

 この世界に私がいない間にそんなことになっているとは全く予想していなかったことで、声も出ない。

 涼は特に驚く様子も見せずに、あちらの世界と同様に優雅に紅茶を飲んでいる。

 私が知らない間にこっちの世界でもそんなことになっていようとは、全く想像していなった。

 ていうか、あっちの世界の桜はこっちの世界の涼をどう思ったのだろう。大分性格が違うと思うのだけれど。

 あんな涼でも好きだと思えるのかしら? 

「今日も2人でお出かけ? 遊ぶのもいいけど、宿題も忘れずにやるのよ」

「はあい」

 夏休みの宿題、なんて嫌な時にこっちの世界に戻って来てしまった。