嫌いなあいつの婚約者!?

 朝、目を覚ますと、なんだか重く感じて「桜さま、なんだか目がとろんとしています」とメイドに言われてしまう。

 体を起こそうとしても、岩が乗っかっているようで、力が入らなくて自由に身動きを取れない。

 それに、熱っているような寒いような。

「なんだか熱っぽいの」

「あら、それはいけませんわ。お医者様を呼んできます」

 はあっと1つ息を吐いてから再び重たい瞼を閉じた。

 











「お話を聞く限り、恐らく知恵熱でしょうね」

 白衣を着た医師を見ると、それだけで気分が少し良くなる気がする。

「知恵熱?」

「まあ、数日寝ていれば大丈夫ですよ。あまり1人で抱え込まないように」

「はい」

 涼のことで考えすぎて熱を出してしまうなんて、嫌になる。顔を思い出すと、涼のくせに、と腹立たしさまで覚えてくる。

「桜さま、とりあえず今日はゆっくり休んでくださいね」

「ありがとう」

 はあっと、本日2つ目の溜息をつく。ああ、なんだか眠くなってきた。このまま、今日は寝てしまおう。