杏里宅の庭には、花の他に木もたくさん植えられていて、まるでどこかの自然公園のよう。
花弁の上で休んでいる蝶々もまたこの風景を輝かせてくれる存在で、日常を忘れさせてくれる空間。
「桜、いいの? 涼さんずっと彼女といるけど」
「いいの。別に、涼が誰といようと関係ないわ」
「そう……」
2人の姿を見ると、話に花を咲かせているようで、まるで私の入る隙なんて無い。
だいたい、あなたの好きな杏里だってここにいるのにそんなんでいいのかしら?
空には雲一つないのに、私の心の中には時間が経てば経つほど白い靄が増えていく。
「もう、なんなのよ」
心の中で消化しきれない言葉が、声となって出てしまう。
「どうしたの? 桜さん」
「あっ、なんでもないです。それにしても、どの料理も美味しいですね。特にこのバゲットのサンドウィッチがパンの香ばしさとトマトが絶妙で」
「うん、僕もこれ好きだな」
「ねえ、桜」
奏多さんと話していると、先程まで向こうにいた涼が目の前に来た。
彼女の姿はなく、見ると杏里と話していた。
「どうしたの?」
「いや……特に用事があるわけじゃないんだけど、楽しんでるかなって」
さんざん私のことを放っておいたくせに、今更そんなことを聞くために私と奏多さんの2人きりの貴重な時間を割くなんて、失礼にもほどがある。
「ええ、楽しんでるわ」
あなたがいなくても、と直接声にはしない。
花弁の上で休んでいる蝶々もまたこの風景を輝かせてくれる存在で、日常を忘れさせてくれる空間。
「桜、いいの? 涼さんずっと彼女といるけど」
「いいの。別に、涼が誰といようと関係ないわ」
「そう……」
2人の姿を見ると、話に花を咲かせているようで、まるで私の入る隙なんて無い。
だいたい、あなたの好きな杏里だってここにいるのにそんなんでいいのかしら?
空には雲一つないのに、私の心の中には時間が経てば経つほど白い靄が増えていく。
「もう、なんなのよ」
心の中で消化しきれない言葉が、声となって出てしまう。
「どうしたの? 桜さん」
「あっ、なんでもないです。それにしても、どの料理も美味しいですね。特にこのバゲットのサンドウィッチがパンの香ばしさとトマトが絶妙で」
「うん、僕もこれ好きだな」
「ねえ、桜」
奏多さんと話していると、先程まで向こうにいた涼が目の前に来た。
彼女の姿はなく、見ると杏里と話していた。
「どうしたの?」
「いや……特に用事があるわけじゃないんだけど、楽しんでるかなって」
さんざん私のことを放っておいたくせに、今更そんなことを聞くために私と奏多さんの2人きりの貴重な時間を割くなんて、失礼にもほどがある。
「ええ、楽しんでるわ」
あなたがいなくても、と直接声にはしない。



