嫌いなあいつの婚約者!?

奏多さんは当たり前だけど、私には一切触れてこようとしなかった。

 私は、出来るなら手くらい繋いで、奏多さんの体温を感じたかった。

 それでも、奏多さんの目つきから優しさが伝わってきて、それだけで十分だと思う。

「涼くんが羨ましいな。婚約者が桜さんだなんて」

「でも私は、涼よりも」

 奏多さんのが初めて私に触れた。でもそれは、この後の私の言葉を言わせないためで、唇に彼の指が触れる。

「ありがとう、でも、ダメだよ。その言葉は心の中にしまおう」

「…………はい」

 星がそろそろ出始めようとしている。

「ご飯、食べに行こうか」

「そうですね」

 2人きりで嬉しいのに、苦しい。恋は楽しいはずなのに、辛い。