嫌いなあいつの婚約者!?

 夜になって、生徒会の仕事を終えた涼が家に来た。

 いつもよりも何倍も涼がかっこよく見えて、彼の顔を直視できない。

「桜のご家族に挨拶しに来たんだ」

「そうだね、なんだか、緊張するね。今ちょうどディナーの前で2人とも同じ部屋にいるから、行こうか」

「うん」

 2人とも、なんて言うだろう。

 反対、されないよね? 

 迷惑かけたこと、怒られるかな?

 頭の中でいろいろと考えていると、部屋の扉の前に着いた。

 緊張で手に汗を掻く。

 涼と顔を見合わせて扉を開けると、4人の姿が目に入ってきた。

「あれ、お父様とお母様。なぜここに?」

「ふふっ、なんとなく、勘かしら?」

「もしかして……」

 4人は私たちの顔を見て笑っている。

 どこからか既に情報が漏れたようで、でもこの雰囲気、多分受け入れてくれている。

「僕と桜、恋人関係になってもいいかな?」

「私のせいでいろいろあったけど、やっぱり涼が好きなの」

「もちろんだよ」

「ええ、嬉しいわ」

「涼くん、今度こそ桜のことよろしくね」

「ごめんなさいね、涼くん。桜が振り回して」

「いえ、慣れてますから。桜に振り回されるのは」

「ちょ、ちょっと」

「それじゃあ、6人でディナーにしようか」

「ええ、そうしましょう」

 座ろうとした時、涼に手首を掴まれる。

「桜、ちょっといい? 向こう向いて?」

 すると、首元に冷たいものが触れる。

「はい、いいよ」

「これ……」

 それは、新しい苺のネックレスだった。

「嬉しい」

「もう、どこにもやらないように」

「はいっ」

 きらりと首元に苺が光る。うん、可愛い。きっと世界で1番輝いている。

 涼の手を握る。そして、今1番伝えたい言葉を投げ掛けた。

「大好きっ」

「僕もだよ」