嫌いなあいつの婚約者!?

 涼の手がふわっと頭に触れる。ああ、この手の感覚が懐かしい。

 我慢しきれなくなって、自分から涼に抱きつく。ぎゅっと、強く強く涼の体を抱き締める。

「さ、桜」

「だって、好きなんだもん」

「もう、仕方ないな」

 と言うと、涼も同じくらい、ううん、もっと強く抱きしめ返してきた。

 ああ、もう、幸せすぎる。

「私のこと、離しちゃだめだからね」

「桜こそ」

 誰かの足音が聞こえてきて、ぱっと離れる。

 そしてここが学校だということを思い出すと、恥ずかしさで顔が熱くなってくる。

「じゃあ、僕は生徒会行くから、桜先に帰ってて」

「うん、分かった」