嫌いなあいつの婚約者!?

 杏里と聖くんと3人で横並びになって、まず1つを採る。そしてそれをそのまま口の中に入れる。

 甘い。自然の優しい甘さが口の中に広まる。これ、本当に美味しい。

「すごい甘いわ。美味しいわね」

「でしょ? 僕この苺が1番好きなんだ」

「うん、私も」

 1つ1つを丁寧に収穫して、十数個収穫したところでハウス内にある椅子に座って皆でそれを食べる。

 何個食べても飽きない。苺に囲まれながら苺を食べる。なんて贅沢な時間。

「皆さん、苺のムースに苺のゼリー、苺のタルトに苺のグミはいかがですか?」

 と、様々な苺のスイーツを持ってきてくれたのは先ほどの男の人で、見た目に美しい数種類のスイーツがテーブルの上に並べられる。

 苺で埋め尽くされるテーブルの上。小人になって、この上を歩きたい。

「わあ、ありがとうございます。もう、幸せすぎます」

 目の前に置かれた一口サイズの苺のタルトを手に取って口の中に入れる。バターの風味、苺の香り、クリームの甘み、全てが絶妙にマッチして心を満たす。

 次に手にしたのは苺のグミ。可愛らしいサイズの真っ赤なグミ。

 …………なんだろう、前にもこういうものを見たような気がする……。でも、思い出せない。

 でもそれは、すごく大切なものだった気がするの。