いつものように艶々な黒色の車に乗って、今日は学校ではなく港につくと、すでに多くの生徒がいた。
がやがやと賑わしい雰囲気は、修学旅行の集合場所のよう。
時間になるとフェリーに乗り込んで、いよいよ出港する。
フェリーが海の上を走ること数十分。
潮の匂いを乗せた海の風が当たって気持ちいいけれど、なんとなくこの船の揺れにだんだんと気分が悪くなってきて私は近くにあった椅子に座って目を閉じた。
「桜、大丈夫?」
さっきまでどこかに行っていたはずの涼の声がする。
「うん、大丈夫」
「少し顔が白いけど、なんか飲もうか?」
「さっぱりしたもの、欲しいかも」
「うん、ちょっと待ってて」
また涼が遠くに行ってしまう音が聞こえる。目を開けて、細目で遠くなる涼の背中を見る。
待って、行かないで。
側にいて。
心の中で、誰にも聞こえないように叫んだ。
ああ、きっと弱っているからだ。
軽く船酔いをしているから、涼なんかにこんなことを思ってしまう。きっとそう。
がやがやと賑わしい雰囲気は、修学旅行の集合場所のよう。
時間になるとフェリーに乗り込んで、いよいよ出港する。
フェリーが海の上を走ること数十分。
潮の匂いを乗せた海の風が当たって気持ちいいけれど、なんとなくこの船の揺れにだんだんと気分が悪くなってきて私は近くにあった椅子に座って目を閉じた。
「桜、大丈夫?」
さっきまでどこかに行っていたはずの涼の声がする。
「うん、大丈夫」
「少し顔が白いけど、なんか飲もうか?」
「さっぱりしたもの、欲しいかも」
「うん、ちょっと待ってて」
また涼が遠くに行ってしまう音が聞こえる。目を開けて、細目で遠くなる涼の背中を見る。
待って、行かないで。
側にいて。
心の中で、誰にも聞こえないように叫んだ。
ああ、きっと弱っているからだ。
軽く船酔いをしているから、涼なんかにこんなことを思ってしまう。きっとそう。



