嫌いなあいつの婚約者!?

 そんな表情に見惚れてしまい、私の頬はきっとほんのりと赤く染まっている。

 気を紛らわせようと涼くんの服装に目を向けた。

 学校の制服ではなくて、ラフな格好をした涼くんも目を奪われるほどの王子さまオーラを放っていて、彼の周りの空気が輝いて見える。

 こんな人の婚約者だったなんて、今でも信じられない。
 
 見た目だけなら、どう考えたって鈴華さんの方がお似合いだし…………。

 ほら、ここから見えるお庭のバラ。2人はバラで、私はマーガレット。

「ね、ねえ」

「うん?」

「涼くんって、私のどんなところが好きなの?」

 だから、聞いてみたくなった。

 美しい人があんなに近くにいるのに、その人には目もくれずに今も私のことが好きな理由を。

「そうだな……。友人を大切にするところ。屈託のない笑顔。なんでも一生懸命なところ。たくさんあるよ」

「そうなんだ……」

「その……こんな話信じてもらえるか分からないけど、私実は違う世界から来たの。それは覚えてる。だから、本当の桜じゃないっていうか。それでも、私のことを好きなの?」

「当たり前だよ。僕はむしろ……今の桜の方が面白くて好きだな」

「お、面白い?」

「思ったことを口に出しちゃうところとか。いきなり走り出すこととか。少し意地っ張りなところとか」

「そ、それって褒めるところなの?」

「うん、そういう桜を見ると可愛いなって思う」