「そうね……。とても素敵な人よ。桜のことをすごく好きで、桜も前までは涼くんのことが好きで。とてもお似合いの2人だったわ。涼くんは今でも桜のことが好きだけどね」
「じゃあ、今は?」
「今は、もう1人の奏多さんっていう人のことを桜が好きになったの。それで、婚約を破棄して2人は恋人同士になったのよ」
「そうなんだ……」
婚約を破棄してまで、私は奏多さんという人が好きなんだ。なのに、あの人はそれでも私のことが好き……。
涼くんのことを見ていると、彼のもとに鈴華さんが来た。だけど、鈴華さんが自分にとってどんな存在だったのかを思い出せない。
鈴華さんっていう存在は覚えているんだけど……。
鈴華さんは私の顔を見ると、特にこっちには来ないでそのまま涼くんと会話を続ける。
こうやって見ると2人は見た目的にとてもお似合いで、2人の周りにはなんだか花が浮いて見える。
「2人が気になるの?」
「気になる……っていうか、お似合いだなあって」
でも、どうしてだろう。2人の姿を見ているとなんだか胸がざわめく。あの涼っていう人の笑顔が、鈴華さんに向けられていることがどうしても気になる。
鈴華さんと涼くんは、少し話した後2人で教室を出て行った。



