嫌いなあいつの婚約者!?

「桜さんっ」

 残りのお昼の休みを杏里と平和に暮らそうとした時、クラスメイトに名前を呼ばれた。

「なんか、呼んでるよ?」

「私?」

「そう、あの人。多分、1つ上の学年の人だと思う」

 見ると、確かに同じ学年の中では見たことのない顔で、どこか不機嫌オーラを放って立っていた。

 絶対に明るい話ではない、というのはここからでも分かる。

 でも、上級生を無視できる勇気を持っているはずもなく私は1人でその人のところに向かった。

「あ、あの……」

「ちょっと、いい?」

「はい……」

 悪い予感しかなく、どこかへ向かう途中も会話ゼロで沈黙が続く。

 空気がここだけ凍り付いている。

 今日はついていない。

 杏里とゆっくりとお昼の時間を過ごせないし、緊張状態が続いてなんだか腹痛すら感じて来た。

 なんでもいいから、早く話を終えたい。