嫌いなあいつの婚約者!?

 そこには、今にも涙を流しそうな自分の顔があって、私は無理矢理口角を上げた。

 こんな姿、彼女にだけは見られたくなかった。

「少し、寂しくなっただけよ。だって、ずっと側にいたんだから、涼は」

 強がってしまう。

「そうね」

「だから、深い意味はないの」

「ええ」

「それより、ランチ食べましょう。時間がなくなっちゃう」

「それもそうね」

 ハーブの香りが漂う魚ですごく美味しいはずなのに、そうは思えない。

 ううん、美味しいの。いつも通り、味は美味しい。

 ただ、美味しいのその先がない。